執筆:細田 隆 弁護士   

1. はじめに

 2022年4月から、東京証券取引所の市場区分の見直しが行われることになり、これに伴い、現行の市場区分を前提とするTOPIX(東証株価指数)も見直しされることになりました。
 既に上場している企業についてはもちろんのこと、上場を目指す企業にとっても重要な見直しなので、見直しの概要とその影響を簡単に紹介します。

2.東京証券取引所の市場区分の見直し

 現在の東京証券取引所の市場は、市場第一部、市場第二部、マザーズ、JASDAQ(スタンダードとグロース)に分かれていますが、位置付けに重複があったり、市場第一部のコンセプトが不明確だとの評価もありました。
 そこで2022年4月から、市場区分をプライム、スタンダード、グロースの3つにすることとされました。
 そして、事業法人等に保有される株式を除いた株式を流通株式とし、流通株式の比率や流通株式の時価総額を重要な上場基準にしました。特に、最上位市場と位置付けられるプライム市場については、流通株式比率35%以上、流通株式時価総額100億円以上等が上場維持基準となりました。
 現在の上場企業については、経過措置により、原則として、市場第二部とJASDAQスタンダードはスタンダード市場、マザーズとJASDAQグロースはグロース市場に移行することになっています。これ以外の市場に移行しようとする場合は審査手続きが必要になります。
 また、市場第一部の企業については、プライム市場とスタンダード市場を選択できることになりました。ただし、プライム市場の上場維持基準を満たさない企業がプライム市場を選択した場合には、現時点での上場維持基準の適合状況、適合に向けた計画期間、取組の基本方針・課題及び取組内容を記載した上場維持基準の適合に向けた計画書を作成し、その計画を開示することになっています。
 この市場第一部の企業についての市場選択は、20211230日までに行うことになっています。現在市場第一部の企業について、プライム市場の基準を満たしている場合にはプライム市場を選択する場合が大半かと思われますが、そうでない場合には、プライム市場かスタンダード市場かの選択を迫られることになります。

3.TOPIXの見直し

 東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、現行の市場区分を前提とするTOPIXについても見直しが行われることになりました。
 現在は、市場第一部の銘柄がTOPIXの構成銘柄ですが、新しいTOPIXは、プライム、スタンダード、グロースのどの市場に属していても、流通株式時価総額100億円以上等の要件を満たしていれば、構成銘柄となります。
 ただし、この基準は現在よりも厳しい基準となるので、現在のTOPIX構成銘柄については20224月以降も当面はTOPIXの構成銘柄となりますが、新しい基準を満たさない銘柄については、202210月から段階的に構成比率を引き下げ、20251月に構成銘柄から除外されることとされています。
 TOPIXの構成銘柄については、インデックスに投資する投資信託により投資されている場合があるので、このTOPIXの構成銘柄の見直しにより何らかの影響を受ける可能性があります。

以上